こんにちは、坂田木材の吉村です。〜自然素材の美しさを長く保つために〜無垢材の床や天井、造作家具は、時間が経つほどに味わいを増していく素材です。その“経年変化”こそが木の魅力でもありますが、放っておくと「黒ずみ」や「ムラ焼け」に悩まされることもあります。今日は、木の美しさを長く保つために知っておきたい、変色と黒ずみの防ぎ方をお伝えします。日焼けと黒ずみは“まったくの別物”まず知っていただきたいのが、「日焼け」と「黒ずみ」は原因が違うということ。日焼けは、太陽の紫外線による自然な変化。桜やナラなどの淡い木は色が濃くなり、ウォールナットなど濃い木は少し色あせていきます。これは“木が環境に馴染む”自然のプロセス。いわば木の成長の証です。一方で、黒ずみは水分や汚れ、カビが原因で起こるもの。これは「防げるトラブル」です。黒ずみを防ぐ3つの習慣① 水を放置しないコップの輪ジミ、結露の水滴、花瓶の下の水…。ほんの少しの水分でも、放っておくと木の内部に染み込み、黒ずみの原因になります。見つけたらすぐに乾いた布で拭き取ることが大切です。② 風を通す木は湿気がこもると水分を吸い込みます。特に梅雨や冬場の加湿時期は要注意。家の中に風の通り道をつくるだけで、カビや黒ずみの発生を防げます。③ 定期的なオイルケアオイル仕上げの無垢材は、塗膜で覆うのではなく木の繊維にオイルを浸透させることで保護しています。このオイルが切れると、汚れや水が入り込みやすくなります。2〜3年に一度を目安にオイルを塗り直してあげると、美しさがよみがえります。もし黒ずんでしまったら…軽い黒ずみであれば、重曹水を布につけてやさしく拭くと改善する場合があります。しつこい場合は、オキシドール(過酸化水素水)を綿棒などでポンポンと当ててみてください。時間が経つと徐々に漂白され、黒ずみが薄くなります。※ただし、木の種類や仕上げによっては反応が異なるため、目立たない場所で試すことが大切です。日焼けは「防ぐ」より「育てる」紫外線による日焼けは完全には防げません。でも、ムラ焼けを防ぐことはできます。カーテンを時々開けて、部屋全体に光を当てる家具の配置を半年に一度、少し動かすこうして「均一に日焼けさせる」と、自然で美しい深みが生まれます。坂田木材からのひとこと私たちは、木の変化を“劣化”ではなく“成長”と考えています。けれど、水分やカビによる黒ずみだけは避けられる老化です。木は、手をかけた分だけ応えてくれます。風を通し、乾かし、オイルで守る。その積み重ねが、10年後・20年後に驚くほどの風合いとなって現れます。木と一緒に時間を重ねていく暮らし。そのためのちょっとしたコツを、今日から取り入れてみてください。 まとめ黒ずみは「水+汚れ」が原因 → すぐ拭く&乾かす定期的にオイルで保護(2〜3年ごと)日焼けは“均一に育てる”ことで美しく木は手をかけるほどに味わいが増す